長い年月で傷んでしまったフレスコ画の表面
イタリアはロ−マ文明やルネサンス発祥の地であることから、膨大な数の美術作品・文化遺産を誇る国です。しかし、その作品数や規模があまりにも多いこと、また、その保存修復に関する資金難という深刻な問題に直面しています。壁画修復活動に関わる費用には、現地調査研究費用、足場や技材費、研究者、修復家の人件費などが挙げられます。
本来、救われるべき歴史的、文化的に価値のある壁画も、修復という救いの手が差し伸べられる作品は、全体から見ると氷山の一角にすぎません。残念ながら、現実には多くの作品が、老朽化や環境汚染のため崩壊を免れない運命にあります。また、著名な作家の作品は修復の幸運にあやかりますが、例え作品の芸術的価値が高くとも作家の名がさほど一般に知られていない場合、不運なことに崩壊し後世に伝えられないといった問題が後をたちません。
現代でいう修復活動とは、作品生命を永続させるという意味での解決法には至りませんが、人類共通の文化遺産を可能な限り現状維持し、後世に伝えるという重要な役割を持っています。その点を御理解をいただきたいと思います。
もし壁画救済、修復活動に御興味を持たれる方がいらっしゃいましたら、当研究所の所属する文化協会バスティオーニ*を窓口としてイタリア政府管轄の文化財監督局の協力のもと、修復プロジェクトを立ち上げます。皆様のあたたかい御協力、御支援をお願いいたします。ご連絡はこちらまで。
*文化協会バスティオ−ニ (ASSOCIAZIONE BASTIONI ):
美術作品調査研究を目的とし、壁画、絵画、彫刻、モザイク等の各分野のベテラン修復家を主要メンバーとする、フィレンツェの文化協会。所属壁画修復家の主な実績としては、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会のドメ二コ・ギルランダイオ、フィリッピーノ・リッピ、ピッティ宮殿のピエトロ・ダ・コルトーナ、ブランカッチ礼拝堂のマザッチオの作品が挙げられる。
